バスの運転手・中塚幸彦は、乗客の大友紀子に少年の頃の記憶にある牧野直美そっくりの面影を認め、思わず声をかけた。小学生の頃の幸彦が、メンソレータムの匂いと、胸の花びらのような小さなヤケドの痕と共に蘇る官能的な夢の中の女性、それが直美だった。一..